「CSNY 1974」をハイレゾで聴く
CSNY Nightステージ

 クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの1974年の再結成ライブ「CSNY 1974」を購入した。本作は3CD+DVD版、Blu-ray+DVD版、180グラム重量LP6枚組ボックスセット版、1CD(16曲入り)エッセンシャル版といった複数のヴァージョンが発売された。私が買ったのは、日本では発売されなかったBlu-ray Audio+DVD+ブックレット(180P)のセット。米国Rhino盤だ。アマゾン購入で6,030円。届くまで10日ほど待たされたが、 日本のワーナー盤が3CD+DVDの4枚組で7,560円なので、納得出来る範囲だ。同梱のDVDは8曲(43分)しか収録されておらず画質を考えてもオマケ扱いに留まっている。

CSNY1974 Cover Artwork

長年その存在が噂されていたものの発売されることの無かった1974年の伝説のサマー・ツアーのライブ。何度か発売予告がなされながらいつしかお蔵入り。ビーチ・ボーイズ『Smile』のような幻の作品の代表格となっていた。ハロンガスに守られ40年間眠りについていた2インチのマルチテープが先頃開封され、ミックスが完成した。メンバーの一人、ニール・ヤングのダメ出しでマスターの規格が192kHz/24bitに変更になったため、完成済み12曲(96/24収録部分)がオシャカになったという曰く付きの作品。Blu-ray Audioはマスターと同じPCM192kHz/24bitで音声が収録された。ちなみにニール・ヤングはアーチストとして活躍する傍ら、ハイレゾサービス・機器のPono(ポノ)を主催している。


<CSN&Y>
元バーズのデビッド・クロスビー、元ホリーズのグラハム・ナッシュ、元バッファロー・スプリングフィールドのステファン・スティルスの3人で結成されたCS&Nが母体。アルバム「Crosby Stills & Nash」(1969年)が全米6位と大ヒット。スティルスは、ソロで活躍していたバッファロー・スプリングフィールドの元同僚、ニール・ヤングを加え、スーパー・グループCSN&Yが誕生。CSN&Yはウッドストック(1969年8月)にも出演する。4人でのフルアルバムは「Deja Vu」(1970年)1枚だけ。翌年1970年のツアーを収録したライブ・アルバム「4 Way Street」をリリースして解散した。どちらの作品も全米1位を記録している。

CSNYステージ後方

<Stadium Tour>
フィルモアの名物プロデューサー、ビル・グラハムの説得で史上初のスタジアムツアーとなった。その後のU2などの先駆けとなった屋外スタジアムを巡る巨大イベントだ。再結成といえども当時のCSN&Yは解散したビートルズやストーンズそしてレッド・ツェッペリンと並ぶスーパーグループ。さらに彼等はヒッピーのアイドルでもあった。ツアーがスタートする直前、ウーターゲート事件が発覚。ツアー中の8月にニクソン大統領が辞任するなど、米国が騒然となった時期だ。ベトナム戦争はまだ続いていた(終結は1975年)。若者たちはウッドストックを追体験するかのように続々とコンサート会場に足をはこんだ。最小の会場で32,000人、最大のクリーブランドでは82,000人の規模。31回のツアーで百数十万人を動員している。チケットは$7.50(現在の価格で約$36)だった。

CSNY_menu_photo
Blu-ray Audioのメニュー画面に使われた写真

<Production Personnel- Recording>
プロデュース:グラハム・ナッシュ、 ジョー・バーンスタイン
デジタルエンジニア:スタンリー・ジョンソン
ミキシング:スタンリー・ジョンソン、グラハム・ナッシュ、 ジョー・バーンスタイン
レコーディング:エリオット・メーザー、スティーブン・バンカード
録音:1974年7月〜9月
ランドーヴァのキャピトル・センターやロンドン・ウエンブリー・アリーナなど10箇所で録音された。北米の会場ではエリオット・メーザーの録音機材とトラックが活躍した。マルチトラック・レコーダーは2台のAmpex MM-1000 16-track。録音調整卓はNeve 8016が用いられた。
技術を担当したスタンリー・ジョンソンとナッシュ。さらにジョー・バーンスタインがミキシングを担当。バーンスタインはツアーのオフィシャル・フォトグラファーを努めた人。表紙を含めブックレットの写真は全て彼のもの。

<Artwork>
「CSNY 1974」のアートワークを手掛けたのは、スプリングスティーンやマドンナも手掛けたブライアン・プルーゼック(Brian Porizek)。パッケージの表に使われた4人をステージ後方から撮った写真、ジョー・バーンスタインの撮影だが、モノクロ写真をルーゼックが人工着色着した物だというから驚く。

CSNYリハーサル

<作品を聴いてみて>
ここで聞かれるCSN&Yはかなり荒々しい。ロック色の強いギターバンドのようで、肩すかしを食うかも知れない。「4 Way Street」のライブで聴かせたような絶妙なハーモニーは陰を潜めている。構成は2ndセットにアコースティックをはさみ,1stセット、3rdセットはエレクトリックでという実際のコンサートにそったもの。全体にヤング色が強い。彼の曲で初めてのオフィシャル・リリースが5曲もある。
音質の良さには圧倒される。特に最後を飾る「オハイオ」は観客の興奮がピークに達する様子がリアルに伝わってくる。高音質の192kHz/24bitのBlu-ray Audioなら、BDプレーヤーのアナログ出力(RCAピン)を直接アンプとスピーカーに繋いで、充分楽しめることを実感した。スプリッターなどを使い、10万円前後のDACを繋いで聴くのを凌駕する音だ。
一般のロックファンには1CD 16曲(約80分)入りのエッセンシャル版をお勧めする。キャッチコピーにある『1974年の伝説のサマー・ツアーが蘇る! ー 聴くもの全てを時代の証言者へと誘う伝説のスタジアムライブが40年の眠りから覚めた。』というあたりを楽しむには充分なはずだ。
 
関連記事
スポンサーサイト

<< LaCie 2.5インチポータブルHDD | ホーム | 低価格イヤフォーンの定番 Philips SHE9710を使ってみて >>

comment

post a comment

url:
コメント:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 

trackback


この記事にtrackbackする(FC2ブログユーザー)