セックス・ピストルズ「勝手にしやがれ」をBDオーディオで聴く
Pistols Member photo

BDオーディオ「勝手にしやがれ」をユニヴァーサルUKのサイトで購入した。価格は£16.99だが送料£4.99が別途かかり合計£21.98。PayPalを利用し日本円で¥3,932の支払となった。商品は英国から10日ほどで届いた。
BD盤は昨年9月発売のピストルズ結成35周年記念盤『Deluxe Edition』(2枚組CD)に収められた「勝手にしやがれ + シングルB面集」(16曲)+「ライブ録音(ストックホルム、ペンザンス)」(14曲)の全30曲を収録したもの。ステレオPCM 24bit/96kHz(非圧縮)、dts−HD Master Audio 24bit/96kHz(ロスレス)、Dolby TrueHD 24bit/96kHz(ロスレス)の3つの音声方式で収録されている。メニュー画面以外映像は付かない。

「勝手にしやがれ」BDオーディオ

BD盤「勝手にしやがれ」の音は全く別ものだった。パンクにハイレゾは必要か?の声も出ると思うが、これまでCD再発で使われてきたマスター(1993年デジタルリマスタリング)はかなり不満の多いものだった。音量あげると音はささくれ立ち、中低域が痩せていて音量感は無い。貧弱な音質だった。オリジナルのLPはもっとぶっとい音で迫力があったハズ。ピストルズを題材にした映画「ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル 」(ジュリアン・テンプル監督)のサントラ盤に収められた「アナーキー・イン・ザ・UK」を聴き比べると、同一音源にもかかわらず、音が太くオリジナルのイメージに近い。不思議に思っていたことが一気に解消した。かつてのLPの音が蘇っている。ハイレゾ24bit/96kHzの恩恵だけではない。マスタリングの問題が解決しているのだ。
長らく紛失されたと考えられていた1977年9月19日に作られたオリジナル・アナログマスターが遂に発見され、ピストルズのオリジナル・プロデューサーの一人、クリス・トーマス監修のもとリマスターが行われた。マスタリングを担当したのは英国が誇るマスタリング・ラボMetropolis(メトロポリス)のティム・ヤング。ビートルズの「Love」やクイーンの「オペラ座の夜」の5.1chマスタリングで注目されている敏腕エンジニアだ。
NMTB メニュー
「勝手にしやがれ」のメニュー画面

一部の人にはセックス・ピストルズの録音は素人録音に毛がはえたようなチープな音と思われているようだが、全くの間違い。『英国の音 セックス・ピストルズ「勝手にしやがれ」』で詳しく述べた様に、時間と手間をタップリかけて作られた24トラックをフルに使ったデラックスなスタジオ・アルバムだ。音楽的にもチャック・ベリーばりのギター・リフをきかせたロックンロールがベース。それに”ジョニー・ロットン”の巻き舌ヴォーカル(現在だったら一種のラップ)が一部の隙も無くからむ。パンク・ロックをこの一枚で完結させてしまった歴史的作品だ。

<God Save The Queen>
God Save The Queen

ロットンの歌詞に対する感覚も尋常ではない。英語では一般的ではなかったアナーキーというフランス語源の言葉をポップ音楽の中に定着させたのは彼である。また「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」のノー・フューチャーの繰り返しも当時の若者たちの閉塞感をリアルに反映させていて凄い。
英国病が深刻化し(1976年には英国は財政破綻し、国際通貨基金[IMF]から融資を受けることとなった。)高い失業率にさらされていた英国の若者たちに、パンクの音楽やファッションはストレートに受入れられて行った。ピストルズは各地で会場の使用禁止を受け、次々とコンサートを中止せざるを得なくなる。さらに放送禁止にあったり、大手のレコード・チェーン店が取扱中止するなかで「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」は全英1位となった(2001年にBBCはチャート操作があったと認め、で放送禁止曲であったが1位は「God Save The Queen」であったと訂正した。)いかに若者たちに支持されていたかわかる。
 
関連記事
スポンサーサイト

<< 外付けブルーレイドライブを購入 | ホーム | レッド・ツェッペリン「祭典の日」をBlu-rayでみる >>

comment

こんにちは

Rogers LS3/5a を検索してこちらに辿り着きました。

Blu-rayオーディオはまだ未経験です。聴くジャンルはなんでもです。JAZZでもロックでもクラシックでも歌謡曲でもなんでもオッケーです。

懐かしいですねピストルズ!当時は 勝手にしやがれ と 華麗なるレース をよく聴いてました。オーディオと音楽に目がないですす。

Re: Re: こんにちは

riri さん
よくいらしゃいました。私にとってこの作品は想いで以上のものがあります。実はレコード会社で直接ピストルズを担当していました。「勝手にしやがれ」 のタイトルを付けたのも私です。ジョンさんとはその後もずっと仕事の関係を続けました。(1997年「サイコ・パス」まで。)
さてカナダのお店にたのんでいたクイーンの「オペラ座の夜」のBDオーディオが届きました。「勝手にしやがれ」と同じくマスタリング・ラボMetropolis(メトロポリス)のティム・ヤングによるマスタリング(5.1ch)のものです。
> まもなくBlogにアップしますのでお楽しみに。

はじめまして。
ジョンとお仕事されてたんですね。
最近ピストルズのレコードを集めて主要なものは全てUKオリジナルで揃えました。宝物です。
ピストルズで音質拘るなんてナンセンスという意見は良くありますが決まってCDしか聴いてない人の意見で歯がゆいです。
クリス・トーマスによる王道の英国ロックの音ですね。

post a comment

url:
コメント:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 

trackback


この記事にtrackbackする(FC2ブログユーザー)