ロンドン・オリンピック:開会式と閉会式
ロンドン大会ロゴ

第30回夏季オリンピックロンドン大会は8月12日に閉会式が行われ17日間にわたった大会が幕を閉じた。
「これはコンサートじゃないんだ。オリンピックだよ!」と、開会式の総監督を勤めたダニー・ボイル監督。
7月27日に行われた開会式は英国のポップ・ロック50年の歴史がたっぷり詰まったミュージカル・ショーとなった。
ボイルは音楽監督にアンダーワールドを起用し、シニカルでウィットに富んだ、 イギリス人らしくエッジの効いた選曲となったが、驚きの一つは事前の報道でリークされたようにセックス・ピストルズの曲が2曲も演奏されたこと。「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」のように 王室を批判した曲でさえ、イギリス音楽史の1曲としてリストに加わった。ただ実際に演奏されたのは女王に敬意を払い、エリザベス女王が入場する前だった。ピストルズのもう一曲「プリティー・ベイカント」はクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」に続きビデオ映像で紹介されている。音楽監督のアンダーワールドの二人のセンスの良さはショーの終盤で聴くことができた。ピンク・フロイドの「狂気日食(Eclipse)」からビートルズの「ジ・エンド(The End)」に繋げ、最後にポール・マッカートニー本人が登場して「ヘイ・ジュード(Hey Jude)」を演奏する。当然会場を巻き込んで大合唱というところにでていたと思う。

そして8月12日の閉会式。音楽監督に作曲家のデヴィッド・アーノルド(007シリーズ、BBCドラマ「シャーロック」の音楽)を迎え「ブリティッシュ・ミュージック交響曲(A Symphony Of British Music)」と銘打ったショーを見せてくれた。こちらは60年代から現代までの生タレ中心の「ブリッツ・ミュージック・ショー」。ザー・フー、レイ・ディビス(キンクス)などの60年代の大ベテランからボーイズ・グループのワンダイレクションまでをセレクト。中高年から若年層まで楽しめるエンタテインメント性の高いものだった。

Wish You Were Here

大変残念だったのは閉会式の中継を行ったNHKアナウンサー二人。ショーの内容にそぐわない空疎なコメントと解説で音楽を邪魔したために批判が殺到。Twitterではハッシュタグ「#アナウンサー黙れ」まで生成されるなど苦情が相次いだ。ショーの重要なポイントをスポイルして、熱心な聴視者の苛立をかき立てた点をいくつか紹介すると
1) 人気グループ、ミューズ(Muse)が演奏した「サバイバル(Survaival)」がオリンピック公式ソングであることを無視。
2) モンティ・パイソンに出演した伝説のコメディアン、エリック・アイドル(Eric Idle)をタレントの一言で片付けたこと。ショーの中で「人間大砲」のシークエンスが演じられたが 、モンティ・パイソンの有名なエピソードであることに触れもしなかった。
3) ピンク・フロイドの「炎~あなたがここにいてほしい(Wish You Were Here)」をエド・シーラン(Ed Sheeran)が歌ったが、会場で綱渡りショーが行われたがこれも無視。黒いスーツ姿の若者が綱を渡り終えるとそこには黒スーツの人形が。握手すると相手は炎に。(これは、1975年に発表されたピンク・フロイドのアルバム「炎~あなたがここにいてほしい」の黒色の不透過シュリンクラップを破くと、体が燃えている男が握手をしている写真が現れるということにちなんだもの。)
閉会式は「A Symphony Of British Music」ということで英国の50年間の音楽を取り上げるという事前情報が充分あったはず。明らかに準備不足。「NHKってこんなにクオリティが低かったのか」の声まであがっていた。
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