USBメモリでカーナビ・オーディオに挑む
マツダデミオIMG001

『USBオーディオ』に本気で取り組んだ。一般的にはPCにUSB-DAC(デジタルをアナログ音声に変換する機器)をつないで高音質音源を楽しむことをUSBオーディオというようだが、USBメモリに音楽ファイルを保存してAV機器などで聴くをこともこう呼ばれる。
今年1月末に納車されたマツダの1.5Lのコンパクトカー、デミオ・ディーゼルはCDドライブレス。新車にはCDを持ち込むことは無いと判断、オプションのCD/DVD+地デジ・セットを選択しない決断をした。
一日試乗キャンペーンで借りた試乗車にiPhone 6をUSB接続してみて、ナビ画面に曲名やジャケットが表示され、操作もナビからできそうなことがわかった。CD-Rをかけてもこれまではナビ画面で「Track 1・・・」の表示しか見たことがない。iTunesやiPhone並みに楽曲情報やアートワークが表示されるのは極めて魅力的。デミオには2つのUSB端子が用意されている。我が家のiTunesのライブラリー(非圧縮AIFF、CD約770枚:11,000曲)から、音楽をどう取り込むかを考えればいい。今回はその忘備録を兼ねた実録レポート。

マツコネDisplay01(小)


<マスストレージクラス>
USBにはいろいろな機器をつなぐため、数種類の規格が追加されている。その中でハードディスクなどの外部記憶装置を接続するための追加規格がマスストレージクラスと呼ばれる。USBマスストレージクラスに対応し、FAT16やFAT32等のパソコンで広く利用される汎用ファイルシステムを採用する機種がPCだけではなく一般のAV機器やカーナビにも増えてきた。接続するだけで外部ストレージ(記憶媒体)として認識する。カーナビを司るデミオのマツダコネクト(マツコネ)に用意されたUSB端子はこのUSBマスストレージクラスに対応したポートだ。USBフラッシュメモリや、この規格に準拠したiPhoneなどのスマートフォン、iPodやWalkmanなどのデジタルプレーヤーを接続できる。
<Cruzer Fit>
Cruzer Fit 02

普段使いを考えUSBメモリ(32GB)を用意した。お役御免のiPhone 4を車載で使うことも考えたが、容量が16GBと少ない事と真夏の過酷な状況を考えてUSBメモリでセットアップすることにした。メモリにはSanDiskがカーオーディオ用途に商品化したという超小型の Cruzer Fit 32GBを購入。アマゾンで千数百円で売られている。差し込み口からのはみ出しが5ミリほど。挿したままにしても邪魔にならない。目印代わりにストラップを付けた。

USBメモリ装着

<準備作業>
やみくもにUSBメモリにファイルをべたコピーすれば終わりというわけにはいかない。筆者のiTunesライブラリーはハイレゾ音源を除けば全てAIFF。規定の圧縮ファイルへの変換が必要。問題になるのはプレイリスト。楽曲は様々なアルバムやオムニバスから集められている。iTunesライブラリー全体をUSBにコピーするのは非現実的。単純なのはフォルダを作りオリジナルアルバム(コンピレーション)に格上げする方法。下記の方法で行った。
1) 新規フォルダーを作り、iTunesで使っていたプレイリストと同じ名前を付ける。
2) プレイリストの中身を丸ごとコピーする。(右クリックで「再生順にコピー」を選択。目的の場所でペースト。)
3) ファイル名(曲名)の頭に半角数字で2桁(又は3桁)の連番を振り、再生順とする。数字と曲名の間は半角開ける。リストどおりの順番に番号を振る根気のいる作業。
4) コピーしたファイルのサムネイル画像の有無をチェック。サムネイルが無い場合はiTunesに戻り、オリジナルファイルの画像をチェック。ある場合は画像をセーブ後、一旦削除してから再度貼り直し、そのファイルを上書きする。オリジナルに無い場合はアマゾンなどから入手する。(iTunesの『アルバムアートワークを入手』の機能を使い、iTunes Storeにある画像を取り込んだ時に起こりがちな現象。画像は実ファイルにではなく別の場所にストックされるので、Library以外の場所にファイルをコピーするとそのリンクが切れる。)
5) プレイリストのコピーマスター(まだ非圧縮のAIFFのまま)は自宅のMac-mini Server(2TB)に保存した。iTunesが置かれたMacBook ProのHDD容量を余分に使いたくないため。(ライブラリーが圧縮ファイルの場合、上記作業は直接USBメモリコピーした上で行えば良い。)
6) Cruzer Fit 32GBにiTunesで使っていたプレイリストと同名のフォルダーを作る。
7) コピーマスターのファイルを変換し、USBに新用意した同名のフォルダーに書き込む。

マツコネDisplay05(小)

<コーディック>
デミオのマツコネの取説をみると「USBメモリに書き込まれたMP3(.mp3)、WMA(.wma)、AAC(.aac/.mp4/.m4a/.wav)、OGG(.ogg)ファイルに対応しています。」とある。変換後のコーデックは比較的音の良いACC(.mp4)256kbps/44.1kHz/16bitとした。
変換に使ったのはMac用フリーソフトの定番、XLD(X Lossless Decorder)。音の良いLimeのMP3変換ポジションもあり、MP3にも引かれたが、好みを優先してAACのコーデックとした(MP3はAACと比較すると高域に若干クセがある)。再生順等の調整の必要が無いのでオリジナルアルバムは、iTunesのライブラリーからCruzer Fit 32GBに作った同名のフォルダーに直接書き込んだ。
<keyDESort>
KeyDESort

Cruzer Fit 32GBを実車に持ち込みチェック。収録したのは約1700曲、96アルバム(コンピは半分の48アルバム)。コンピもオリジナルアルバムも振られた番号順どおりには再生されないことに気づいた。見た目とは違い、ファイルがメモリーに書き込まれた(タイムスタンプ)順に再生されているようだ。データを順序良く整理するWindowsフリーソフトの定番「keyDESort」のお世話になり、ファイル名順に整理した。
<プレイリストの作成>
プレイリスト(英語:playlist)は音楽や動画の再生順のリスト。リストのタイトルでお目当ての楽曲を探すことができる。曲数が多いほど利用価値が高い。もちろんマツコネでも利用できる。
プレイリストの拡張子は「.m3u」。中身はシンプルなテキストファイル。ディレクトリ(フォルダ)/サブディレクトリ(サブフォルダ)/ファイル名が記述されている。
様々なツールで書き出す方法が紹介されているているが、不要な情報を潜り込まさないためにDOS/Vコマンドでファイルの情報を取得した。すでに連番が振られたファイルが並ぶ一覧なので単純明快なリストが得られる。
Macminiで BootcampのWindows 10を起動。コマンドプロンプト(通称DOS窓)で"DIR"コマンドを使い書き出した。手順は以下。<注>"/"と"¥"(バックスラッシュと円マーク)は同じ文字。OSやブラウザなどの環境で表示が異なる。
DOS_Vコマンド
1) コマンドプロンプト起動
2) 対象となるUSBメモリーのドライブ名(例 F:)を入れ「エンター」を押し移動
3) リストを作成する
ファイル名の一覧を取得するには、DIR /B コマンドを利用するが、ファイル名あるいはフォルダー名だけを取得するには/adや/a-dなどのオプションを併用する
<オプション>
/A-D = ディレクトリ名は除外
/B = ファイル名のみ取得
/S = サブディレクトリも含む
/O = 名前順にソートする
dir /a-d /b /s /o とコマンドを入れ「エンター」を押しリスト表示を確認。
4) リストを出力する
dir /a-d /b /s /o > allmusic.txt とコマンドを入れ「エンター」を押しリストを書き出す。
(allmusic は書き出すためのファイル名。任意で付けることができる。)
5) 出力されたテキストを開き、不要部分を削除して整理する。Macで作成した場合”VT100・・・”などの不要なファイルが出力されているので削除。編集はメモ帳などで行う。
6) 楽曲ファイルやフォルダの位置を相対化するため<置換え>で「F:」を「.」に変更
7) プレイリスト単位に分解して「名前を付けて保存」のポジションで保存する
プレイリストに付けられたファイル名があればでそれを使う。アルバムはそのまま。重要なのは保存時の文字コードを初期設定の「ANSI」から「Unicode」に変更すること。「ANSI」のままだとマツコネは日本語表記(2バイト文字)のプレイリストを表示しない。
8) プレイリスト用の拡張子(.m3u)に変更
テキストで書き出したファイルの拡張子を「.txt」を「.m3u」に変更する。ファイルが使えなくなる旨の警告が出るが「はい」を押し無視する。
9) 完成した複数のプレイリストをフォルダが置かれた最上階(ルートディレクトリ)に置く

マツコネPlaylist(小)

<プレイリストの作成 補遺>
・Media Go
コマンドプロンプトはどうしても苦手という人に朗報。Windowsユーザーならソニーが無料で配布している「Media Go」がお勧め。USBメモリにファイルと共にプレイリストを正確に書き出してくれる。ACC(.mp4)、MP3どちらでもOK。曲順どおりの書き出しなので「タイムスタンプ」のトラップも無い。iTunesライブラリーを共有でき、同じGracenoteのデーターベースを使うなど理想的なソフトだ。
・iSyncer
Macユーザーの場合は選択支が少ない。ドイツのMichael Fischhaberが開発したフリーソフトがiSyncer。プレイリストから曲のエクスポートや.m3uファイルの書き出しは正確なのだが、タグ情報の一部しか出力されず、アートワークが付かないのでオススメできない。欠点は操作性が悪いこととJavaで動作するのでJava Runtimeをインストールしなくてはならないこと。ちなみにiTunesの音楽をAndroidへ転送するソフトのiSyncrとは別物。
・Export for iTunes
iTunesのプレイリストから曲をUSBメモリにエクスポートできる有料アプリ。¥840。人柱をやっていないので内容は不明。
<iPhone 6のUSB接続>
マツコネ&iPhone

USB接続はバッテリーチャージが利用できる。iPhone 6は非圧縮AIFFなので、USBメモリの圧縮ファイルより音が良い。(走行中に音質差はあまり感じられないが。)AIFFは再生可能コーデックに無いにもかかわらず、iPhoneからだとなぜ再生可能なのか不明。 USBにAIFFファイルコピーしてみたがグレーアウトして再生不可だった。ちなみにWAVはUSBのコピーが再生できるが、タブ情報が反映できず画面は"Unknown"となる。USB接続の最大の欠点はプレイリスト。カテゴリ別に分けたプレイリストが一緒くたになってしまう。またフォルダ内に表示される曲目はアルファベット順に並べ変わってしまう。シャッフルが前提でなければ使い物にならない。ちなみにiPhone側からの操作は通常どおり可能。走行中は同乗者に操作をたのまないとならないが。
<iPhone 6のBluetooth接続>
iPhoneを操作するのと変わらない使い勝手がマツコネのコマンダーで味わえる。iPhone 6 (iOS 9.2)は複数の Bluetooth プロファイルに対応しており、高度オーディオ配信プロファイル (A2DP)や、AVのリモートコントロールプロファイル (AVRCP 1.4) に完全対応している。電話機能も無線でOK。簡便にiPhoneを車で使うなら最もオススメできる。唯一の欠点はチャージのためにマツコネのUSBポートを使えないこと。差すと音が出なくなる。車のシガーソケットにUSBポート付きのカーチャージャーを用意することが必須。Bluetoothは驚くほどバッテリーの消費が早いからだ。なおiPhone 6はAIFFのため、Bluetooth接続でもUSB接続の時と同等の音質が得られた。

デミオ03(小)

<ギャップレス再生>
曲間が途切れなく再生される事を、「ギャップレス再生」というが再生環境が限られる - マツコネは対応していない。ピンク・フロイド「狂気」、ビートルズ「アビ−ロード」(後半の組曲)、カーペンターズ「ナウ・アンド・ゼン」(後半オールデイズ・ヒットパレードの部分)などが具体例。曲繋がりの曲間部分がブチブチ切れる。再生を受け持つプレイヤーが対応しないと解決しない。非圧縮のAIFF・WAVなら無音部分が無く連続再生され、結果的にギャップレス再生になるが、MP3やAACは圧縮の際トラック間ギャップが発生して音が途切れる現象が出る。LIMEのMP3コーデックは比較的この症状が少ないとされる。
 
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