スタックス SR-Ω 視聴レポート
SR-ΩとSRM-T1W(2)

我が家に届けられたスタックスのイヤースピーカーSR-Ωの音の評価をやってみた。連休以外ほぼ毎日使用しているので、累計も100時間に近い。
SR-Ωは稀少機種でもあり、ネットなどにもレビューが極めて少ない。当時のフラッグシップモデルだったが製造台数が600台以下と極めて少なく、本機のように新品に近い状態を保つSR-Ωは数台しか現存しないと思われる。そんなこともあるので普段は簡単な主観的レポートでお茶を濁すのだが、少し真面目に取組んでみた。
1) イヤースピーカーのユーザーではないため、スタックス同士の比較視聴ではない。
2) ドライバーユニット(専用ヘッドフォンアンプ)は同梱されてきたSRM-T1W(真空管出力)を組合わせて視聴した。
あらかじめ以上2点をお断りしておく。本来ならばスタックスの現役ドライバーユニット、SRM-007tA(真空管出力)かSRM-727A(ソリッドステート)を組合わせて視聴してみたいのだが。そんな贅沢は言えない。
SRM-T1W(1994年製)は製造から21年目に始めて火を入れた。極めて快調で、測定はしていないが動作や出力に異常は見られない。
SR-Ωとの比較に使ったのは手持ちのAKGのK701(2013年購入)。AKGのかつてのフラッグシップ。K701には最近購入したヘッドフォンアンプ SMSL sApIIを使用した。

SR-Ω vs K701
                        SR-Ω                            K701
<比較視聴の準備>
比較するため、2台の聴感上の音量合わせを慎重に行った。音量合わせには楽曲とともに「Headphone Book 2012」(音楽出版社)の付録CD『Headphone Audio Check』のトラックの一部を使用した。チェックCDは日本コロムビアが制作したもの。器機からヘッドフォンまでの接続経路(L・R)確認、周波数特性などの簡易的なレスポンス・チェックが出来る。
1. チャンネル・チェック
2. 位相チェック
3. ステレオ音場チェック
4. 基本レベル信号 1kHz(Lch, L+Rch)
5. 基本レベル信号 10kHz(L+Rch)
6. 基本レベル信号 100Hz(L+Rch)
7. 基本レベル信号 15kHz(L+Rch)
8. 基本レベル信号 50Hz(L+Rch)
9. 周波数スイープ
10.ホワイトノイズ (20~20kHz, -20dB)
11.ピンクノイズ (20~20kHz, -20dB)
12.帯域バランス:低域(125Hz)、中域(1kHz)、高域(8kHz)
接続経路(L・R)は問題無し。基本レベル信号や周波数スイープの再生はどちらも殆ど違いなくスムーズに再生する。ちなみに筆者は加齢のためか15kHzの信号が聴こえなかった。

<視聴データ>
視聴データは独RME社FireFace UCXのアナログ・アウトから、L・Rのステレオ出力をパラ出ししてスタックスSRM-T1W(Out1 & Out2)とSMSL sApII(Out3 & Out4)に送っている。接続はSRM-T1WはTRSーXLRで平衡、SMSL sApIIへはTRSーRCAピンで不平衡となる。MacBook ProのiTunesライブラリーをiTunes/Audirvana Plusで再生する。ファイルフォーマットは非圧縮のAIFF。ハイレゾ以外は44.1kHz/16bitのビットレート。

<プレイリスト>
MacBook Proのライブラリから下記のプレイリストを作成し、楽曲データとして使用した。50年代末から70年代にかけてのインストゥルメンタル・ヒットが中心。80年代を象徴するデジタル録音、ZTTのアート・オブ・ノイズ「Moments In Love」が1曲加わっている。低域の再生能力の限界を見るためにダフト・パンクの「Random Access Memories」のハイレゾ音源(88.2kHz/24bit)を別に用意した。

Audirvan_Plus003

<音の評価など>
■ 音質
1) 低音の音質:SR-Ωの方がわずかだが低域が伸びて聴こえる。K701の低音は軽いが明瞭度は保たれている。
2) 中・高音の音質:SR-Ωは非常にフラット。ノイズを含めてまろやかに再生する。K701は4kHz~5kHzがわずかに持ち上がっており、音の輪郭や明瞭度を高めている。サクサクとした軽やかな音づくりの秘密はこの辺に。
■ 音場
3) 定位:SR-Ωのほうがわずかだが定位が明確。どちらも音の重なりを分離して聴かせるタイプ。
4) 空間の広さ:ソースにもよるがSR-Ωの方が空間が広く感じられる。
5) 奥行:SR-Ωのほうが奥行が深く感じられる。その差はわずか。SR-ΩはK701のように中高域の色づけをしていないせいかもしれない。
■ 装着感
6) フィト感:SR-Ωのほうが良い。K701も悪くはないがヘッドバンドの突起が長時間着けていると頭頂部を圧迫する。
7) 重量:SR-Ωのほうが重く感じられる。K701は重量より側圧が強いのが気になる。

DigiCheck002

<DigiCheck>
今回の比較視聴にはFareFace UCXに添付されているRMEのDigiCheckを活用した。「Spectral Analyser」はそれぞれのヘッドフォンの周波数的なレスポンスを知るのに好適だ。

<全般的な感想>
SR-ΩもK701もどちらも開放型。駆動方式はコンデンサー型とダイナミック型と異なるが、音の出方は良く似ている。かけ替えてしばらく経つとどちらを付けているのか分からなくなる。双方とも音は盛大に漏れるが後頭部に音が集中する感じはない。頭内定位せず伸び伸びとした鳴り方がうれしい。SR-Ωは再生帯域も、音の滑らかさもさすが高級機だけの事はある。中低域の締まりがもう少しあると筆者好み。現役のドライバーユニットに付け替えてぜひ聴いてみたい。今回一番ビックリたのはAKG K701の音質。SMSL sApIIを使う事でその真価が発揮されたようだ。SR-Ωと聴き比べなければ何の不満も感じないほど。

<その他>
ドライバーユニットのSRM-T1Wの電源ケーブルはサーバー用の太めの物に変更した。若干だが音の輪郭がくっきりした様な気がする。パワースイッチを投入すると18秒間(真空管がウオームアップする間)赤いLEDが点滅する。まともな音が出るまでさらに30分。重心が下がって聴こえればOK。音量も下がって聴こえる。エージングが進むとウォームアップの時間は多少改善されるかも知れない。SR-Ωは時間とともに音がすこしづづ変化しているように思える。慣らしが終わるとどう化けてくれるのか。少しは期待している。

視聴楽曲Index
視聴楽曲のインデックス 全24曲 74分28秒(ポーズ含む)
 
関連記事
スポンサーサイト

<< Audirvana Plus 2.0 にアップグレードした | ホーム | 低価格イヤフォーン SHE9710を再度購入した >>


trackback


この記事にtrackbackする(FC2ブログユーザー)