コンデンサ型ヘッドホン STAX SR-Ω がやって来た
SR-Ω Poster Image

我が家にとんでもない賓客がやってきた。スタックス(STAX)社のコンデンサ型(静電型)ヘッドホンの SR-Ω(オメガ)だ。1993年発売のフラグシップモデルで、同社が一旦休業を宣言する1995年末までの3年間にわずか600台足らずしか生産されなかった稀少モデル。大型(90mm)ダイアフラム・メッシュ固定極を採用した高性能イヤースピーカー(同社でのヘッドフォンの呼び方)で、ネット上では「まっとうな状態のSR-Ωはもはや存在しない。」「メッシュ振動板の初代SR-Ωで未だにオリジナルのまま実働してる固体があるのかな?」(2ch掲示板)と言われている。先週、SR-Ωを駆動する真空管式ドライバー(専用アンプ)のSRM-T1Wとともに我が家に届けられた。差し障りがありそうなので詳しい経緯は書かないが、記事をお手伝いしている某編集部のチーフから個人的に長期貸与されたもの。口頭で注意されたのは、製品を売却しないこと。オリジナルの外箱(特にSR-Ωのパッケージは桐箱)を捨てないことの2つ。当然のルールだ。事前に聞いていたのでビックリしなかったが、外箱は汚れているがSR-Ω本体もSRM-T1Wも撮影のために開封されているものの、中味は未使用の新品だった。

Stax Omega SR-Ω
【SR-Ω(オメガ)】
■価格 ¥180,000
■型式 エレクトロスタテック型
■振動板 膜厚1.5ミクロン
■インピーダンス
■再生周波数帯域 6-41,000Hz
■許容入力
■感度 99dB/100Vr.m.s
■コード 2.5m平行幅広PC-OCC
■重量 380g(コード含まず)
■発売 1993年
■販売終了 1995年頃
■備考 生産数は600台以下 製造年度1994年(推定)



SR-Ω Photo

<火入れ>
SR-Ωの300番台後半のシリアルNO.とSRM-T1Wの発売年から推測してどちらも同じ1994年製だと思われる。タイムカプセルに収められたSRM-T1WとSR-Ω(オメガ)がユーザーの前で姿を見せたたといったところ。外見に異常は見られないので製造から21年たったドライバーにさっそく火入れだ。MacBook Proのメディアプレーヤー(Audirvana Plus)の信号はオーデイオインターフェース RME FIREFACE UCXを通って変換され、アナログのラインアウトがTRS PHONE (BALANCE) — XLRプラブでSTAX SRM-T1W の入力端子 (BALANCE) に接続される。Powerスイッチを投入すると18秒間(真空管がウオームアップする間)赤いLEDが点滅。その間音は出ない。

<ならし運転>
ヘッドフォン本体もドライバーも新品同様の未使用品。本来の音が出るまでバーンインに結構時間がかかりそう。本体だけでなくドライバーもならしが必要なので全体が落ち着くまでは毎日数時間聴いて最低1ヶ月。2~3ヶ月は鳴らさないといけないと思う。

<接続ミス>
スタックス・ユーザーではないので基本的なルールにうとく、接続で初歩的なミスを犯してしまった。SRM-T1Wにはイヤースピーカーの接続端子が3つ用意されているが、うっかり「Pro」ではなく一番左の「Normal」の端子にSR-Ωをさしてしまった。「Normal」は初期型のノーマル・バイアス機に200V程度のバイアス電圧をかける端子。SR-Ωを含め現行のモデルはプロ・バイアス機で580Vのバイアス電圧をかける仕様だ。「Normal」にプロ・バイアス機を接続することは可能だが、音量を無理に上げると破損する可能性があるとされている。どうも音がくすんだ感じでおかしいと思いチックしてミスが判明した。現在は3つ並んだコンセントの中央の「Pro」に接続している。

SR-ΩとSRM-T1W

<SR-Ωインプレッション>
ならしがまだ済んでいないので、わずか2日間使っただけの印象だということをお断りしておく。
一応良い音が出ているといえるがまだ普のレベル。コンデンサ型からイメージした細やかで滑らか。柔らかくゆったりとしでいるというのと異なり、かなりカッチリした音。ならしが終っていないので中高域は伸びきらないし低域は膨らみ気味で、中低域の分解能やレスポンスはもう一息。現在AKG K701に中華のヘッドフォンアンプ S.M.S.L SAP2をつないでこちらもバーンインの真っ最中。AKG K701は2013年5月購入なので慣らしはとっくに終っているが、ヘッドフォンアンプはこれから。この組合わせもなかなかで音楽ソースによってはSR-Ω/SRM-T1Wチームを凌駕する場合も。音の性格が似ているということはSR-Ωは結構ダイナミック型ぽい音を出しているということ。FireFace UCXの実力もあってのことだが、ハイレゾでなくてもライブラリーのリニアPCM AIFF 44.1/16の音源で満足できるのは嬉しい。SR-Ωの音で圧倒されたのはジョージ・ウインストンの「Autumn」、「December」、「Winter Into Spring」の一連の録音。44.1/16だがその再生音には度肝を抜かれた。慣らしが終って上手くいくとSennheiser HD800に近いとこまでいけるかもしれないと期待している。
現在はFireFace UCXのステレオ出力をパラに出してスタックスSR-Ω + SRM-T1W(Out1 & Out2)とAKG K701 + S.M.S.L SAP2(Out3 & Out4)で聴き比べ(音量は合わせる)と慣らし運転を兼ねて常に同時稼働している。

<Philip K. Dick>
映画「ブレードランナー」の原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 」の作者として知られるSFの巨匠フィリップ・K・ディック(1928年-1982年)は膨大なレコード・コレクションを持っていた。それと共に日本のコンデンサーヘッドフォンSTAXの愛用者としても知られる。彼は毎日夜の11時から朝の5時まで書斎に籠り、STAXのヘッドフォンで音楽を聴きながら執筆していたという。彼がSTAXのヘッドフォンを聴きながら見た夢はどんなものだったのだろう。
 
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