レッド・ツエッペリン「IV」デラックス・エディションをハイレゾで聴く
Led Zeppelin IV DX Edition

レッド・ツエッペリン「IV」デラックス・エディションをHDtracksで購入した。米国では10月27日にダウンロード可能となっていた。CD、LP、スーパーデラックスなど6つの形態で発売されるのは初回のリマスターと同じ。各フォーマットとも最新デジタル・リマスター音源を採用。音質グレードが最も高いのは配信の96kHz/24bitファイルの販売となる。リマスターで音質は非常にクリアーになったが、元々の録音帯域があまり広いほうでないので、ハイレゾの優位感はあまりない。むしろLPユーザーの方が満足度は高いハズ。リマスターシリーズ同士で比べるなら音は「I」(1968年に8トラックマルチレコーダーで録られた)のほうが上。むしろ今回同時発売される「聖なる館」に期待したほうが良い。

レッド・ツエッペリン

全作品にジミー・ペイジ本人がかかわったデジタル・マスタリングは1993年の「コンプリート・スタジオ・レコーディングス(Box Set/10CD)」以来20年振り。前回ペイジと共に作業を担当したのは米国スターリングサウンドのジョージ・マリノ(2012年没)。それまでのCDの音を一新する「決定盤」として、今でも充分聴取に耐えうる優れたリマスタリングだ。このマスターは2000年に発売された26曲入りの「ベスト・オブ・レッド・ツェッペリン ~リマスターズ(2CD)」や日本ワーナーのSHMヴァージョンのZEP再発CDに使われている。もしお持ちなら、無理に買い直さなくともよいくらい。
ただしデラックス・エディションに同梱されるコンパニオン・オーディオに本編を超える価値がある場合がある。今回の「IV」のコンパニオン・オーディオはその代表例だ。

<コンパニオン・オーディオ>
Zep リイシューアート

M1. Black Dog(オーバー・ダブ・ギター)
M2. Rock And Roll(オルタナティブ・ミックス)
M3. The Battle Of Evermore (ミックス from ヘッドリィ・グランジ)
M4. Stairway To Heaven(サンセット・サウンド・ミックス)
M5. Misty Mountain Hop(オルタナティブ・ミックス)
M6. Four Sticks (オルタナティブ・ミックス)
M7. Going To California(マンドリン・ギター・ミックス)
M8. When The Levee Breaks(オルタナティブ・UK・ミックス)

「II」や「III」そして「聖なる館」も似たように構成されているが、「IV」のコンパニオンには別ミックスが本編と全く同じ曲目、曲順で並んでいる。「II」や「III」に収録されたのは初出といってもラフ・ミックスやBacking Track(カラオケ)止まりの音源。「IV」のコンパニオンの様にAlternate Mix(別ミックス)がズラリと並ぶのは壮観。これこそジミー・ペイジが「IV」のミックスダウンを丸々2度行った証しだ。本来は本編になるハズだった「天国の階段(サンセット・サウンド・ミックス)」もついに姿を現した。このトラック、ハイレゾ版は音量を目一杯上げて楽しんで欲しい。音の伸びやナチュラルなサウンドの広がりは本編のアイランド・スタジオ・ミックスと別物というのが良く分かる。録音を担当したエンジニアのアンディ・ジョーンズ(2013年没)もサンセット・サウンド(LA)の音の良さをインタビューで繰り返し述べている。ちなみに「カルフォルニア」(歌無し)も同じサンセット・ミックスの一つ。

<サンセット・サウンド>
Sunset Sound Studios
Sunset Sound Studios, Los Angeles
レッド・ツェッペリンは、ロスアンジェルスのサンセット・サウンドでミックを完了する予定だった。日本ではあまり知られていないが、バンド一行はここで巨大地震の余震に遭遇してしまう。到着直前の1971年2月19日、LA郊外のサンフェルナンドで地震が発生。マグニチュード6.1の直下型で余震の規模も大きかった。スタジオは無事だったが、テープを回すたびに揺れる。メンバーは最初のうちは面白がっていたが、マネージャーのピーター・グラント(Peter Grant, 1935-1995)が耐えられなくなり、早々にロンドンに引き返す。まず馴染みのオリンピック・スタジオ(「I」を録音した場所)でサンセット・ミックスのプレビューを行うが音のイメージが合わない。結局、前年の12月に「IV」のベーシック・トラックを録ったアイランド・スタジオに腰を落ち着ける事になった。結果的にすべてやり直された。サンセット・ミックスで本編に残ったのは「レヴィー・ブレイク 」1曲のみ(反対にこの曲のアイランド・ミックスはコンパニオンに入っている。)

<初来日コンサート>
Zep concert stage

1971年9月23日、レッド・ツェッペリンの武道館初日をこの目で見た一人である。コンサートでは「IV」収録曲の「天国の階段」と「ロックンロール」も演奏された。アルバム発売は11月だったが、不思議なことにどちらも聴き覚えのある曲だったような記憶がある。
計画から大幅に遅れた「IV」のミックスダウンは、英国ツアーをはさんで5月下旬に完了した。しかし発売日は1971年11月8日となった。完成から発売まで半年近くも間が空いたのは、なぜだったのだろう。アルバムが無題であったこと。ジャケット全体を通じて、グループ名、アルバム名、レコード会社名などの文字が一つも印刷されていないことなどでレコード会社と揉めたことなどが原因だったようだが。
 
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