極上の音 オリーブ 6HDとゼンハイザーのHD800
olive 6HD

先日、某レコード会社の社長を務めるTさんのお宅にお邪魔した。Tさんは自他とも認めるオーディオマニア。制作部長兼務なのでまだスタジオワークにかかわっている。お伺いした目的は新たに導入されたオーディオ機器のお披露目。オーディオセットはリビングではなく、寝室に隣接した仕事場(書斎?)に置かれていた。広い木の仕事机を背にSonusFaberのMinima(復刻版なのでMinima Vintage?)とLuxの真空管プリメインアンプSQ-38uとSACDプレーヤがオーディオラックに置かれていた。脇のサイドテーブルの上に今回の主役、シルバーの外観が目を引くOlive 6HDがあった。6HDは米国Olive Media Products社が発売するオーディオプレーヤーの最上位機種。同社ではデジタルミュージック・サーバーと呼ぶ。『CDプレーヤー』+『ハードディスク(2TB)』+『10.1インチ液晶ディスプレイ』+『専用ヘッドフォンアンプ』が収められたオールインワン・プレーヤーだ。
CDのリッピングもディスクを入れるだけでOK。曲名・アーティスト名などのメタ情報もリッピング時に取得。10.1型のタッチパネル式大画面液晶ディスプレイで全ての操作ができる。さらにLANで繋がっていればPCからメタ情報の書き換えやライブラリーの整理が容易にできる。さらにCDドライブがあるからCDを直接演奏できる。これ1台ですべてが出来るおまかせマシーンなのだ。
収録フォーマットはWAV、FLAC、AAC、MP3。MP3型式は128kbit/sと320kbit/sに対応とのことで、Macから見るとAppleロスレスや非圧縮のAIFFが対応していないのがチョット不満。価格的にもLINNと比べれば大分おてごろ価格だ。
Tさんは仕事机に山積みにしたCDを登録中。2000枚を超すCDを2TBのハードディスクに収めるのが大変。聴く暇がなくなるとこぼしていた。SonusFaberのMinimaの音はかつてConcertoのセッテイングでさんざん聴いたあの濃厚なイタリアの音が出ていたが、セッテイングが完全では無いためか納得いくものではなかった。
さてTさんが持ちだしてきたものはヘッドフォン。懇意のショップがきっと気に入るからと送りつけてきたものだという。聴いてすぐにお買い求めになったのは言うまでもない。

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カナル型イヤフォーン ER-6IとIE8
IE8 and ER-6i

iTunesでのCDの登録作業。Sound Studio3使ってのレベル調整。
Toast 9でCDに焼くときの曲間調整。Macで行う音の作業に用いるリファレンス・モニタはエスモティック・リサーチER-6iとゼンハイザーのIE8である。いずれもカナル型のイヤフォン。気分によって取り替えている。バランスド・アーマチュア型とダイナミック型と駆動形式は違うが、どらも音の傾向は似ている。能率も変わらないので、付け替えて使っても違和感はほとんど無い。
イヤフォン(又はヘッドフォン)は、マイクロフォンと同サイズか、それ以下の小さなダイアフラム(振動板)を使い、振動板と鼓膜との間にあるごく少量の空気をドライブして音を伝える。スピーカーのように厄介な部屋の影響を全く受けず、小さなダイアフラム1つで重低音まで再生が可能だ。この特徴だけ見ればモニターに大変適していると言わざるを得ない。だがプロがヘッドフォンで仕事をしないのは、ヘッドフォン(又はイヤフォン)に大きな欠点があるからだ。ヘッドフォンでの聴取は一種のバイノーラルリスニング。ステレオを正しく聴くためにはどうしても2台のスピーカーを使って出した音を聴くしかない。ちなみにヘッドフォンやイヤフォンが最も苦手とするのは音の定位の確認や音量の違いのチェック。録音でも非常に重要な部分だ。しかし部屋の中の多量の空気を動かす必要が無いヘッドフォンやイヤフォンは振動体の性能が高ければ、原理的に高音質かつ音楽再生クオリティが高い(かつ値段も高い)製品ということになる。

Walkman 1st

モバイルで音楽を楽しむためのツールとして長く伴侶となってくれたのは初代ウオークマン。何回かウオークマンを買い換えたが、初代に付属してきた小型ヘッドセットは手放さなかった。過不足のないナチュラルな音のヘッドフォンだった。以前から、自宅で使っていたオープンエアー型のSennheiser HD414と音の感じが似ていたのを覚えている。


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The Dead Media:8トラック・プレーヤーの話
リンカーンコンチネンタル

日テレ系金曜ロードショーで最近放送された「メン・イン・ブラック」第一作(1997年制作)を見ていて、アレッと思う場面に出会った。黒のリンカーンでエイリアンを追ってトンネルをカーチェイスするシーンがそれ。カーチェイスが始まると、トミー・リー・ジョーンズ(K)がカートリッジを入れてテープをプレイする。かけた曲はエルビス・プレスリーの「Promise Land」(エイリアンの「地球脱出」をパロった選曲?)。入れられたカートリッジ・テープは8トラックだった。

8トラックプレイヤー

K達が乗った黒塗りのリンカーン・コンチネンタルはおそらく1966年モデル。この年のモデルから工場出荷で当時発売されたばかりの8トラック・プレーヤーが取り付けられている。
1965年秋、フォードは翌年のモデルのムスタング、サンダーバードそしてリンカーンにオプションで新開発の8トラック・プレイヤーを付けると発表したのだ。映画のシーンや小道具にもそんな時代的背景が反映されていて感心する。
当時は録音にはオープンリールが使われていたが、車載するには無理があった。 そこで、乗用車でも利用可能なように作られたものの一つが、この8トラックである。

Elvis 8track Tape
Elvis Prerecorded Tape

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英国の音 ビートルズ「ヘイ・ジュード」
Hey Jude at BBC

ここで「ヘイ・ジュード」のサウンドは典型的な・・・という内容の文章を書くつもりは毛頭ない。それは次回にとっておこう。
「ヘイ・ジュード」が録音された1968年夏の終わりから秋にかけては英国の音楽スタジオやアーチストを取り巻く環境に大きな変化が起きた時期。その歴史的なひとコマに触れておきたい。
EMIスタジオはビートルズの次の新作に備えて8トラック・マルチレコーダとRedd 37調整卓に代わる多チャンネル用コンソールの準備に大わらわだった。前作「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」は2台の4トラックマシーン(スチューダ J-37)を同期させて製作されたが、とてもシンクが難しくて大変なリスクを伴う録音だった。EMIのこれからがかかるビートルズにそんな危険はおかせない。自社の準備が整うまで外部の独立系スタジオ(レコード会社経営ではない)を借りて録音を進めるのはやむおえなかった。
1968年にロンドン中心部のソーホーに開設されたばかりのトライデントが、いち早く8トラックマシーンを装備したスタジオだった。ヨーロッパ全体見渡しても稼働中の8トラックマシーンはここの米国製アンペックスのAG440-8のほか1台のみだった。
ビートルズは次のシングルに決まった「ヘイ・ジュード」を初めての8トラックレコーディングで行うことに決めた。
1968年7月30日トライデント入り。アビー・ロードで録った前日までのテイクを全て破棄して、新たにリメイクを開始。ここで録られた4テイクのうち最初のテイクを基に録音が続けられる。

1968年8月6日トライデントでこの曲のリミックス作業が行われる。

1968年8月8日。アビイ・ロードにそのテープが持ち込まれてみると、トライデントで録音した後とは違い、高音がまるでない変わり果てた音になっていた。

Ampex A440-8
AMPEX AG440-8

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英国の音 リバプールとビートルズ・ミュージアム
リバプール

1983年から84年にかけて仕事で何度かマンチェスターを訪れた。
すでに故人となっている地元ロック・バンドのマネージャーだったグレットン氏から、隣町リバプールで開催されているビートルズ・ミュージアムを見に行かないかと誘われた。マージー川の河口に開けたリバプールまで50Km。マンチェスターからは車で45分だ。日曜日の午後にリバプールに向かう。さびれたかけたリバプールの中心街のはずれに設けられた黄色のテント地の建物がそうだった。(現在アルバート・ドックに開設されている「ビートルズ・ストーリー」とは全く別の催事。
1985年にこのミュージアムはアメリカ各地を回るためにリバプールから移転してしまう。)
迷路風の通路で繋げられた時代を追っての展示は、2階建ての高さを生かした、迫力のあるものだった。1973年に閉店してしまったオリジナル「キャヴァーン・クラブ」を再現したアトラクションももちろんお約束通り。ポールがリバプールとロンドンの間を何度も往復したという伝説のMiniの展示もあった。ジョンとヨーコの等身大のヌード写真が飾ってあったのはご愛嬌。
さて本題だが、このミュージアムの目玉はビートルズがほとんどの録音をした、EMI第二スタジオ(現アビーロード・スタジオ)のコントロールルームを忠実に再現した部屋だった。コンソールとモニターは当時の実機だと解説には書いてあった。SSLやNeveの新しい調整卓を見慣れている目には随分古い機材だなという感想しかなかったが、もっと目に焼き付けてくれば良かったと後悔している。


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リッピング・ソフト XLD(2)
xld vs itunes 02

XLDを使ってみて、iTunesより音質面で劣っているところはなさそう。むしろフォルテシモの音の重なりは破綻なくリップしてくれる。CDの取り込みが頻繁にあるわけでは無いので、リッピング時間が5倍近くかかっても怖くない。XLDの出番はこれからも増えそうだ。我が家ではMacBook Pro内蔵ドライブとの組み合わせが標準になる。
<簡便な利用方法>
iTunesの使い勝手はそのまま、リッピングにだけXLDを使う。お手軽な使い方を紹介しておこう。いくつかの設定が必要になるが、リップしたファイルは普段どうりiTunesで操作できる。

【環境設定】
XLDを最初に起動したら、まず「環境設定」を開いて幾つかの項目を設定する。左端の「一般」のタグを開いて行う。
xld_preference_panel

1) 出力フォーマット 『AIFF』または『Apple Lossless』(FLACやWAVも選択可能。)
2) 出力先 「指定」にクリック。『/Music/iTunes/iTunes Media/Music』(データが置かれている場所を指定。"Music"指定でOK。)
3) ファイル名の書式
「指定」にクリックを入れる。 『 %a/%n - %t 』を右の欄に書く。
(これでiTunesと同じフォルダ名や階層構造になる。%aと%nの間は半角の"/"(スラッシュ)。%n - %t はハイフォンとの間半角あけ。)
4) 「可能であれば変換後にファイルをiTunesに追加」
にチェックを入れる。つづいて下段の『ライブラリ』を指定する。
以上で終わり。その他のタグの「バッチ処理」、「メタデータ」、
「CD読み込み」は初期設定のまま触らない。


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リッピング・ソフト XLD(1)
XLD

以前にも触れた音元出版の編集部でAudirvana(プレーヤソフト)とともに強く薦められたのが、リッピングソフトのX Lossless Decoder(略称:XLD)。「Lossのないデコーダー」というネーミングのソフトで、本来はロスレス(可逆)圧縮ファイルのデコードが本業のMac OS X用のツール。リッピングが非常に優れているということで最近注目を集めている。
iTunesもヴァージョンが10.6になり、64bit OSのLionで動くようになって音質が大幅に向上した。ネット上でも「iTunesのリッピングは音が悪くて」という声をを聞くことはほとんど無い。私自身も約650枚のCDをiTunes 10.6 + Firewire外付けCDドライブで一気にリップしたが、音の不満はほとんどない。
今後予定しているAudivana Plusのアップサンプリングの機能を使ってみたりする前に、リッピング違いで音の違いがあるのかを確かめるためにXLDをトライしてみることにした。
XLDは国産のフリーウェア。募金をお願いしているようなので正確にはドネーションウェア。国産なのですべて日本語表示なのがうれしい。
入手先はこちら。http://tmkk.hp.infoseek.co.jp/xld/
失礼しました。  http://tmkk.pv.land.to/xld/

XLDはその名のとおりデコーダーとしての機能も強力。WAV、AIFF、Apple Lossless, FLACが出力フォーマットに選択でき、可逆圧縮だけでなく非可逆圧縮のAACやMP3(LAME)での出力も可能。幅広いフォーマットに対応している。
ハイレゾでダウンロードした192/24とか96/24のFLACのファイルをiTunesで扱いやすいように無劣化でAIFFやALACなどに変換したい場合などに最適なソフトでもある。

XLDはインターネット上のデータベースと比較して正確に読み込めたかどうかを検証するAccurate Ripという機能を実装している。不特定多数のリッピングのCRC32ハッシュをデータベース化した "AccurateRip"というサービスで照合することで相対的に正確性を確認する機能だ。(最近のリッパーには標準的な機能になりつつある。)その代償として取り込みが遅いことがあげられる。iTunesは20倍速ぐらい行く場合があるが、XLDはMacBook Proの内蔵のドライブだと精々2、3倍速CDくらいの取り込み速度で、iTunesよりもはるかに劣る。


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